松江塾のプレっ子(低学年)たちには「エルの物語」という長文読解問題がある。
その文章はとても楽しく、子どもを引き込む「エルワールド」を持っている。
大人が読んでも楽しい・・・というか父親をいじってるんだけどね。
楽しいのよ。
でも、読むだけではなく、長い物語の中から必要な条件を拾い、自分で絵とか図、表を書くなりして、それら「使えそうな条件」を整理し、計算までして答えを導き出す問題である。その計算も、一回では終わらず、計算結果をもとにして次の計算をするという難題である。情報処理技術者試験の午後問題みたいに感じる。
うちの子は、「エルの物語」が大の苦手だった。
でも・・・読むのは大好きだった。
それが救いで、文章を最後まで読むことはしていた。
でも、どこに答えのヒントがあるのかわからず、時間内に最後まで解けたことは一度もなかった。
正解できた子からホワイトボードに名前を書いてもらえるけど、それは夢のまた夢だった。
親としても、横で見ていて歯がゆかったものである。
週末土曜に、エルの物語のおさらいをするのだけど、朝から始めても、納得してもらえるのが夕方になっていた。
ところが!
4年生になってから様子が変わってきた。
もともと「エルの物語」を授業でやるのは低学年(プレ)だけど、
本科を受講している子は、定期的に「エルの物語」を解くことができる。
今では私が何も教えなくても、自分で文章を読み、条件を整理し、
「まずこれを計算して、次にこれを求めればいい」と筋道を立てて考えられるようになってきた。
そして、正しい答えまでたどり着けるようになった。
私達親は当然喜ぶ。
私が答え合わせをして「正解」と言うと、
一番驚いているのは本人である。
松江塾には毎日長文を読むカリキュラムがある。
最近は宿題とか毎日シリーズへの取り組みがぐだぐだになってしまう日もある。
それでも毎日の文章読解だけは
「今日はどんな話だろう」
と楽しみにしている。
「好き」という気持ちは強い。
毎日少しずつ読み続けたことが、知らないうちに読む力を育ててくれたのだと思う。
そして、その積み重ねが「エルの物語」を解く力につながったと思う。
うちの子は今でも毎回、「どうせ間違ってるんでしょ」という表情で私にエルの答えを見せに来る。
私が「正解!」と言ってマルをつけると、一瞬「えっ?」という顔になるけど、
次の瞬間には全身で喜びを表現している。
見ている方が笑うくらいのオーバーアクションである。
その姿を見るたびに、「できるようになった」という事実以上に、
「自分もできるんだ」という自信が少しずつ育ってきていることを感じる。
いいね。
勉強は、すぐに成果が見えるものばかりではない。
毎日長文を読み続けていても、「本当に効果があるのかな」と思う日もある。
でも楽しく読んでくれているから、それはそれでいいのかなとも思っている。
でも、ある日突然、「あれ?あれれれれれ・・・?・・・できるようになっている」
と感じる瞬間がやってくる。
エルの物語は、まさにそんな出来事のひとつだった。
派手さはないけど、うちの子にとっては大きな壁を超えた瞬間である。
そして、親である私達にとっても「毎日の積み重ねは裏切らない」と改めて実感した、うれしい出来事だった。